7731 川端龍子記念館「ファンタジーの力」展

今日は、大田区立川端龍子記念館へ。
最寄の都営浅草線西馬込駅からはちょっと離れていて歩いて15分弱かかった。
川端龍子記念館は、かなり久しぶりだと思う。
今回鑑賞したのは、川端龍子+高橋龍太郎コレクション コラボレーション企画展「ファンタジーの力」。
大田区で精神科医院を開業している高橋龍太郎のコレクションと川端龍子の作品を、6つの章にわけて紹介している。

第1章「旅立ち」
第2章「そこにいるのは誰?」
第3章「土と光、風の物語」
第4章「夢の領域」
第5章「海の物語」
第6章「日々、物語はつづく 〜見慣れた光景、大切なもの」そして、そのそのテーマに合わせて、それぞれに小さな本棚が設けられ、自由に読めるようになっているのはおもしろい。
第1章のテーマ「旅立ち」に合わせて、川端龍子本人が使っていた旅行鞄と、旅行鞄をモチーフにしたインスタレーションが展示されていた。


草間彌生や奈良美智、青山悟、池田学など、これまで目にしてきた作家の作品も数多く並ぶなかに、川端龍子の作品もある。
60年以上も前の作家なのに、現代アートと並んでもまったく褪せないのだから、作品の“振り幅の広さ”というか、“奥行きの広さ”みたいなものを感じずにはいられない。
ちょっと前に見た気がすると思って検索してみたら、去年の6月に目黒区美術館で鑑賞していた。
いずれも刺繍による細密な作品。
平泉中尊寺の発掘調査によりミイラが発見されたというニュースをもとに描かれたのが《夢》という作品。
棺を開けたとたん2枚飛ぶ蛾を空想した龍子の、まさに”ファンタジー”だ。

久しぶりに池田学の作品を見たが、相変わらず凄まじい精密さ。
ところどころで、龍子の作品が紹介されているが、現代アートに通じるものがある。
現代アートと見事なコラボレーション、関連した書籍の紹介など、とても充実した企画展だった。久しぶりに鑑賞した川端龍子記念館だったが、また機会があれば来てみたい。