7729 企画展「小西真奈 Wherever」
博物館・展覧会,芸術・デザイン
府中市美術館で開催中の企画展「小西真奈 Wherever」を鑑賞。
2006年にVOCA展で最優秀賞を受賞し注目を集め、風景画の可能性を感じさせる作品を発表している画家だそう。
今回、美術館での初の大規模個展ということで、これまで描かれた作品から新作まで100点が紹介されている。
府中市美術館
企画展「小西真奈 Wherever」
本展は、Gardens、Drawings、Paintings2004-2009の3つの章で構成されている。
「Gardens」は、最近の作品が中心。
神代植物公園、特に大温室の風景は、なかなかおもしろい。
もらったガイドにあったが「多種多様な植物の有機的な様態、ガラスのフレームが作る格子状の人工的な線」など、描き込まれるものがとても多い。
でもものすごく繊細かというとそういうことではなく、どこか即興的な感じもする。
かといって、抽象的でもないのだ。
これがおそらく、彼女の作品の最大の特徴なのだろうと思う。
写真ではなく、細密画でもなく、描かれているのは、作者が捉えた風景の本質そのものなのではないかな…と。
《Awesome Rocks》
ごくごく一部を除いて写真撮影不可なので、ここで紹介している写真は順不同。
「Drawings」は、鉛筆やペンなどで描かれた作品だそうだが、これらはプリント写真をもとに描かれていて、同じ構図の油画も存在しているそうだし、鉛筆画が先でもないという。
つまり、ここに描かれている鉛筆画は、描こうとする対象の本質そのものを表しているのではないかと思う。
それは、「Gardens」で紹介された最近の作品にも通じるものだ。
温室を描いた《untitled》
ベンチがちょっと邪魔で…
初期の作品《キンカザン2》
最後の章の「Paintings2004-2009」は、作者の初期の作品が紹介されている。こちらは、最近の作品と比べると、かなり細密に描き込まれている。
これはこれでリアルだし、すごく魅力的な作品ではあるのだけど、おそらくこの作者らしさが表れているは、やはり冒頭の「Gardens」で紹介されていた作品だろうなと思った。
今後、この作者を通じてとらえたさまざまな風景を、もっと見てみたいと思った。