7714 須田悦弘展

今日は、渋谷区立松濤美術館で開催中の「須田悦弘展」へ。
精巧な雑草や花を木彫りで作り、それを思いもよらない場所に置くというインスタレーションを発表し続けている須田悦弘の作品を紹介している。
作品は、朴(ほお)の木で作られ、それらは、どれも実物大だ。
木彫の技術は独学で磨いたという。
コインロッカーの一部にも作品が展示されている。
何も知らなければ、ただの枝にしか見えない。
入館したときに渡される展示マップを片手に、作品を探していく。
ちゃんと場所が書かれているのに、あまりに小さく、どこにあるのか分からなかった。
ほぼすべての作品が撮影可能。
「お見逃しの無いよう」と注意書きがあったが、あとで振り返ると、どうやら見逃してしまった。
彼の作品は、最初に練馬区美術館で目にして以来、これまで何度か目にしているが、まとまって鑑賞したのは初めてだ。
《スルメ》は、彼が最初に手がけた木彫り作品だそう。
よく見ると、それほど精巧でもなかったが、なぜかすごくリアルに感じたのは不思議だった。
作品はどれも実物大だからかなり小さい。
突拍子のないところに作品が置かれることがあるところがおもしろい。
会場入口に「お見逃しのないよう」と書かれていて、展示マップにもきちんと作品の展示場所が紹介されているのに、どうやら見逃した作品があった。それくらい、作品が、ごく自然にその風景に溶け込んでいるのだろう。
風景に溶け込んだ作品を愛でるのは、美術館で作品を愛でるというよりも、街歩きで植物を愛でる雰囲気に近い。…というか、それそのものかもしれない。
アサヒ飲料「十六茶」や、ニッカウヰスキー「竹鶴ビュアモルト」、「シングルモルト余市」などの原画なども手掛けている。
こちらは、木彫りとはまた違った精巧さがある。
美術館の入口にも、作品が展示されていた。
”宝探し的”なおもしろさがあった。