7701 企画展「江戸メシ」

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太田記念美術館
太田記念美術館

太田記念美術館で開催中の企画展「江戸メシ」を鑑賞。

江戸時代は、日本の食文化が大きく発展した時代で、寿司、天ぷら、蕎麦、うなぎ、刺身、鍋、餅、枝豆、焼き芋、スィーツなどなど、庶民たちが手軽に楽しむことのできるファストフードとして食されていた。

そんな色にまつわる浮世絵を集めたのが今回の企画展だ。

この浮世絵から何を伝えたいのだろう…と思いながら鑑賞すると、江戸時代の浮世絵師たちと会話ができるような気がしてくる。

きっと当時の江戸の食文化を多くの人たちに知らしめたかったのだろうな…と思う。

これが描かれた100年とか200年後の自分が見て、その様子をリアルに知ることができるというのは、おもしろい。

今日は、これまででもっとも混雑していたかもしれない。

コインロッカーが埋まっていて、しばらく待ってもなかなか空かなかったのは初めてだった。

特に印象的だったのは…

企画展「江戸メシ」
企画展「江戸メシ」

四代歌川国政《志ん板猫のそばや》
蕎麦屋の光景だが、なぜか全員ネコに擬人化している。
店員(ネコ)がせいろをひっくり返して、客の頭にかけてしまった瞬間を描いている。
全員ネコなのだけど、本当の猫も混じってるところもおもしろい。

歌川国芳《道外十二支 未》
こちらは、緑人化したヤギの蕎麦屋。
メニューを見ると「かみなんばん(紙南蛮)」「花まきがみ(花巻紙)」とあって、食べているのは蕎麦じゃないところがおもしろい。

あと、いくつかの絵のなかに、描かれていたスイカ。

だだそのまま等分にカットするのではなく、ちゃんと食べやすいよう一口大に四角くカットされていて、さらにそれに爪楊枝が刺さっていた。

スイカの色も一色ではなく複数の色を用いて、スイカの種もしっかりと描き込まれていた。

あと、気になったのは、今回食をテーマにしていることもあって、描かれている場所が料理屋や料亭となっているところが多かった。

ただ、その多くは現在までに廃業しているようだった。

簡単にメモした店を挙げてみると…

魚仙:料理屋/日本橋平松町(現在の東京都中央区日本橋1・2丁目)
伊勢万:料亭/現在の東京都台東区上野4丁目
平清(ひらせい):料亭/現在の東京都江東区富岡1丁目
八百善:料亭/現在の東京都台束区浅草1丁目
青柳:料亭/現在の東京都墨田区両国1丁目
小倉庵:料亭/現在の東京都墨田区1丁目

一方、酒については、現在も続いているところが多かった。

剣菱:銘酒/現在の兵庫県伊丹市。剣菱酒造。
豊島屋酒店;酒屋/鎌倉町(現在 東京都千代田区内神田) 豊島屋本店 東京でもっとも歴史のある酒屋。
瀧水:銘酒/四方久兵衛の店。新和泉町(現在の東原都中央区日本橋人形町3丁目)。現在は株式会社四方。

この違いは、たまたま?

Posted by ろん