7685 展覧会「テレンス・コンラン モダン・ブリテンをデザインする」

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東京ステーションギャラリーへ
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ザ・コンランショップ”という店を知ったのは、新宿パークタワーで見かけたのがきっかけだっただろうか。

どうでもいいことだが、どうしても、頭の中では、”混乱ショップ”と変換してしまうせいか、店舗のことよりも店の名前だけが妙に印象の残っていた。

もちろん、”混乱”ではなく、テレンス・コンランという人の名前だ。

イギリスの生活文化に大きな変化をもたらし、デザインブームの火付け役にもなったとされる”テレンス・コンラン”を紹介する日本で初めての展覧会「テレンス・コンラン モダン・ブリテンをデザインする」を鑑賞した。

自分の想像以上に世の中の関心が高そうだ。

彼の生い立ちから、かなり詳細に紹介している。

曽祖父が昆虫博士であったり、動画で紹介していて詳しいことは忘れてしまったが、母親のユニークな教育方針、父親の会社や経営などを身近に接してきたことなど、テレンス・コンランは、恵まれた家庭環境の中で育ったようだ。

才能は多岐にわたる
才能は多岐にわたる
色褪せないデザイン
色褪せないデザイン

1964年に、家具やインテリアをはじめ、さまざまな生活用品を扱う小売店「ハビタ(Habitat)」1号店をロンドンにオープンさせる。コンランによれば「ハピタは、モノを売るだけでなく、人々が憧れつつも簡単に、手に入れることができるような、暮らしのスタイルのお手本も売っていた」という。

家具と一緒に、キッチン用品、照明、テキスタイルなど、さまざまなアイテムを同時に紹介したり、デザインの豊富さをアピールしたり、商品を手に取りやすいような展示は、いまとなってはごく普通だが、当時としては珍しかったようだ。

世界的なチェーン展開をしたハビタに続いて、1973年には、より上質なものの提案を目指した「ザ・コンランショップ」をオープンさせる。

こちらは、今でいうところの、セレクトショップの先駆けで、日本においては、1994年日本初上陸したとあった。

ただ、ちょっと気になったのは、重要なできごとなのに、この展覧会で触れてないことがあったということだ。

実は、1982年、西武百貨店がテレンス・コンランと提携して、池袋西武「ハビタ館」をオープンさせている。

彼の仕事場を再現
彼の仕事場を再現

気になる「簡素の美」
気になる「簡素の美」

この展覧会は、テレンス・コンランが”主役”なので、それほど触れないのは当然といえば当然ではあるが、日本における庶民とデザインとの関係みたいな歴史をあらためて振り返ってみるみたいな企画があったら面白いと感じた。

Posted by ろん