7632 禁足地「八幡の藪知らず」
以前、太田記念美術館で鑑賞した作品、月岡芳年《不知藪八幡之実怪》に描かれていた「八幡の藪知らず」がずっと気になっていたが、今朝、思いきって行ってみることにした。
「八幡の藪知らず」は、いわゆる“禁足地”となっている場所だ。
“禁足地”は、歴史的背景から限られた人しか入れないとか、決して誰も立ち入ってはいけないとされている場所のこと。
そんな場所、ちょっといわくつきの場所が、都心から電車で30分くらいのところにあるというのだから、何だかすごく気になるではないか。
都営新宿線に乗って終点の本八幡駅へ。
平日朝の下り方向だから、上りと比べて車内はガラガラだ。
千葉県市川市にある本八幡駅は、“都営”地下鉄が、隣の県に進出した唯一の例となっている。
都営新宿線の本八幡駅は、京成本線の京成八幡駅とJR総武線本八幡駅の乗り換えが可能だが、3つの路線が隣接していないせいか、乗り換え駅という感じがあまりしない。
都心に向かう人たちをかき分けて地上へ。
そこから、歩いてすぐのところに目的の「八幡の藪知らず」に着く。
道路を挟んで向かい側には市川市役所がある。
かなり小さいということは前もって知っていたが、実際に見てみると本当に小さい。
歩道橋に上がると全体が見渡せるが、幅もほとんどなく、ここから出られなくなるという謂れはどこからきたのだろう。
かつてはもっと大きかったのだろうか?
鳥居をくぐってお参りする。ここもかなり狭い。
そして”禁足地”の様子を見ると…
ほとんとが竹で、反対側も見えるくらいかなりの狭さだった。
さらに、かなり手が入っているようで、切られた竹が山積みになっていたり、捨てられているゴミなどもあった。
それほど広くはないとはいえ、長きにわたって伝説となって現在に至るには、何か理由があるのだろう。
駅至近、市役所目の前という、街の中心に残り続けている不思議。
しきりに踏切の音がすると思ったら、すぐ近くを京成本線が走っていた。
しばらくこの付近をの様子を見ていたが、地元の人はほとんど気にすることもないようだった。
夜だとまた違った感じになるのだろうか?