7626 大丸有エリアを支える地域冷暖房プラント見学
日本有数のオフィス街である大手町・丸の内・有楽町地区の知られざる魅力を発見するまち歩きツアーイベント「OPEN CITY MARUNOUCHI」で募集していた「地下空間探検~大丸有エリアを支える地域冷暖房~」に参加してきた。
平日の昼間ではあったが、滅多にないせっかくの機会なので仕事を抜け出してきた。
20名の枠で男性は自分を含めて6名で、女性が多かったのは、ちょっと意外だった。
こうした“裏方”の設備やシステムに興味を持つのは、男性が多いのではないかと勝手に思ってしまっていた。
ごくふつうの地下鉄の入口から、通用口のようなところを通って、部外者立ち入り禁止エリアへ。
まず会議室で説明と動画の視聴する。
この丸の内熱供給株式会社は、昨年で設立50年を迎えたそうで、すでにけっこう歴史がある。
その後ヘルメットをかぶってさらに地下へ。
小さなプロジェクションマッピングを使って、地域冷暖房の仕組みについて学ぶ。キーワードなどが表示されているところに触れると、その解説が始まり終わると”チェック”が入るようになって、学んだ進捗がわかるようになっていた。
いくつかの解説を聞いたあと、背後の白かったガラスがパッと透明になって、監視室が見えるようになった。
残念ながらここだけは撮影禁止だったが、なかなかニクい演出。
たった2人で、24時間365日ここからすべての設備を監視しているという。
興味深かったのは、奥に展示されていた旧中央監視装置。1992年(平成4年)から2020年(令和2年)まで使われていたそうだ。
パネルにはすでになくなってしまった会社名があったり、記録は”紙”だったり、時代を感じさせる。
むしろ4年前まで使っていたということがすごい気もする。
いよいよ、冷凍機とボイラの見学へ。
冷凍機が置かれたエリアに入るが、特に室温が変わるということはないし、ものすごい轟音がするという感じでもない。
天井を見るとたくさんの配管が張り巡らされている。
配管がない部分は、機器の入れ替えなどのために地上への開口部となっているそうだ。
詳しく話を聞きそびれたが、2種類の冷凍機があるのは、おそらく機能的に補完し合うのだろう。
ボイラのエリアへ。
こちらは、さすがに大きな音と、なにより熱気を感じる。
稼働中のボイラの中を見ることができるというので、ボイラの裏に回る。
かなり小さな窓から覗き込む。
青白い炎が揺れているのがはっきりわかるが、カメラで撮ろうとするとピントが手前に合ってしまってちゃんと写らなかった。
かなり広いので、地下にいるという感覚があまりない。携帯電話の電波だって、むしろ屋外よりも良好だ。
ただ、よく見ると、いろいろと気にしなければならないことも多いのは、地下空間ならではだろう。
最後に見学したのは、巨大な吹き抜けだった。よく見ると、空やビルが見える。
ここは空気を取り込むための場所になっているという。
雨は当然ここまで降ってくることになるが、万が一洪水レベルの水が流れ込んだ時には、巨大な扉がプラントを塞ぐことになる。
少し移動してもらったが、意外と簡単に動く。
でもかなり重いようで慣性がつくとどんどん動いてしまう。
完璧に思えるシステムだが、問題はないのか…とちょっと意地悪な質問をしたところ、やはりコストは掛かってしまう点を挙げた。
ビルオーナーの理解が必要となるが、この地域ではそのあたりの”抵抗”が小さいこともあって、大規模な地域冷暖房を実現できているようだ。
とても有意義な見学だったが、できれば、ビルの間を結ぶ配管(スーパーチューブ)の見学もしてみたかった。
重要な要素なはずなのに、今回なぜ見学のコースに入れられてなかったのだろう…。話を聞きそびれてしまった。