少しだけおかわりと言ったのに/前田理容
- 少しだけおかわりと言ったのに
- 前田理容
- パレード (2023/5/12)
なにげなく図書館で手に取った本。
本の解説を読むと以下の例のような「自由律俳句集」とあった。
日常生活の“あるある”を、俳句や川柳のような形式にとらわれない表現することのようだ。
スイカの実と皮の境界を探る
不在配達票の行間に滲み出る苛立ち
本書では、そうした自由律俳句282句、ショートエッセイ23編、川柳の入選作60句が紹介されている。
本書のタイトルにもなっている「少しだけおかわりと言ったのに」は、きっと、結果的にお茶椀いっぱいの山盛りになってしまった光景が目に浮かぶ。
なんとなく自分も同じようなことを考えるから、なんとなく作れそうな気がしてきた。
おかわりと似たような場面に遭遇したに思ったことがある。
ランチを注文するとき「大盛りもできますよ!」とおばちゃんに勧められるが、そんなには食べないので「普通」と言うと、ちょっと悲しそうな表情をするのだ。
自分もいろいろな思いを「自由律俳句」として作ってみたがどうだろう?
- レジは自分が並んだ列だけ進みが遅い
- 電車の席は自分だけがいつまでも空かない
- ら抜き言葉がいちいち気になってしまう自分が嫌になる
- 相手の名前を思い出そうとするあまり会話の内容が頭に入ってこない
- 初めての土地で旅慣れた人を演じる
- 成田空港の「おかえりなさい」に、心のなかで「ただいま」と答える
- 「これよりみちのく」の看板を見てテンションが上がる
いくつか考えられたが、この本はなかなか読み進めことができなかったのは、こういう理由があったからだ。
- 「アイディアを取られた気がして、他の自由律俳句が見られない」