7595 旧小菅刑務所庁舎
「東京拘置所矯正展 ~『まち』とともに~」というイベントが開催されるというニュースを昨日知って、急遽行ってみることにした。
以前から、機会があれば行ってみたいと思っていたが、1年に1回だけで、しかもあまり事前に大々的に紹介されづらいイベントだけに、偶然でも見つけられたのはよかった。
きっと混雑するに違いないと思って、開場時刻の9時よりも30分以上早く、最寄の小菅駅へ着いた。
「保釈保証金 立替いたします」の看板が、この場所の特殊性を実感させる。
8時半ごろに着いたが、もうけっこうな人数の行列ができていた。
9時ちょっと前には、その行列はさらに伸びていて、人気の高さが伺えた。
ここは、ちょっとした写真撮影スポットになっている感じ。
ほとんどの人はこの門を通って、中へ進んでいったが、自分はすぐ隣にある、旧小菅刑務所庁舎に向かうことにした。
この旧小菅刑務所庁舎は、1929年(昭和4年)に竣工している。
設計したのは蒲原重雄という人物で、他にどんな建物を設計したのか調べてみたら、なんと、ほぼこれだけだった。
他にも北軽井沢の法政大学村山荘群なども手掛けているそうだが、現存して保存されているのは、ここだけのようだ。
若くして結核で亡くなっているのだ。
9時半から見学開始の予定だったが、行列が伸びたので前倒しで見学させてもらうことになった。
入ってすぐのホールの天井には、さっき見かけた鉄製の格子と同じ、ジグザグが確認できた。
こうしたしたところにこだわりが感じられておもしろい。
改装したばかりなのか、全体的にものすごく綺麗だ。
実際の竣工もこんな感じだったのだろうか?
ふだん立ち入りができない建物ではあるが、今回のような機会のためか、いろいろと紹介がある。

東京拘置所自体も入れないが、この旧庁舎も見る機会がないせいか、関心が高そう。
まるで鳥が翼を広げたような優美な姿は、一度見たら忘れられない形をしている。


重要文化財に指定されるほどの建物なのだけど、あまりに綺麗になりすぎてしまった感があった。
もちろん、保存されずに取り壊されることと比べたら、はるかにマシではある。
刑務所の建物として機能的であることと、デザイン的に優れていることを両立させようとしていると感じさせられる。
9時半からオープニングセレモニーがあって、そこで東京拘置所の1日所長となった緒方直人の挨拶があった。
一目見たさにすごい数の人たちが集まっていた。
自分が見た位置からは遠すぎて見えなかったが、その後、各地の刑務所の売店を見て回るところに出くわす。
お客さんの多くは、買い物が目的のようで、開店してすぐに長蛇の列ができていた。
あまりの行列が長くて、どこが最後尾か分からず、一瞬トラブルになりかけそうなところもあって、盛り上がっていた。