7588 「TOPコレクション 見ることの重奏」展
恵比寿にある東京都写真美術館の鑑賞券を入手したので、ちょっと観てみることにした。
鑑賞したのは「TOPコレクション 見ることの重奏」展で、同館の約3万7千点余りの収蔵作品から、19世紀の作品から現代まで、世界各国の14名の作家による100点の写真作品が紹介されている。
写真でありながら、抽象画を見るようなイメージの作品が多く、正直ちょっと難しいと感じてしまった。
そのなかでも、いくつか気になったものもあった。
ウジェーヌ・アジェの作品は、あくまでパリという都市の記録であって、芸術性を追求することはなかったという。
それが、のちに変貌していくパリの風景を徹底して収めていく彼の写真に魅了され芸術として位置づけられる用になったそうだ。
時代とともに考えてもいなかったコンセプトが変わっていくのもおもしろい。
寺田 真由美のどこかで見たことのあるような風景を写した作品。
これらは、すべて自身が制作した模型を写した風景だそうだ。
言われなければ、けっして分からなかったが、現実とフィクション、自然と人工が混ざり合って、さらに既視感と想像力が混ざった感じなのか…。
チェン・ウェイは、「写真を撮ることは言語の欠けている部分を発展させ、拡大させるような一種の文章を書くことに似ている」と言ったそうだ。
ここにある作品は実在する特定の場所ではなく、作者のコンセプトに基づいてスタジオの中で作られたという。
そういった背景を意識して作品を見ると、また違った感覚を覚える。