7571 失われた照月湖周辺を歩く
北軽井沢付近でどこか散策できるところはないか調べていたら、”照月湖”という場所がヒットした。
しかし、ここは2019年の台風で”消滅”したという。
わずかに伝えられた当時の動画を除いて、あまり詳しい情報が出てこなかったので、直接見に行ってみることにした。
場所は、昨日も来たばかりの、旧北軽井沢駅前を通って、それほど離れていないところだった。
特に案内はないが、すぐにわかった。
入口近くに「馬に注意」とか馬のモニュメントが見えた。
かつて「照月湖アラビアン・ホース・ランチ」という施設があったようだ。
照月湖が失われて以降は、閉鎖している模様。
さらに先に進むと、はっきりはしないが、おそらく湖面が広がっていたであろう、広い場所に出てきた。
ただ5年の歳月を経て、かつての湖底から草が伸び放題となってしまい、全貌が分かりづらくなってしまっている。
あまりに草で覆われていて、”湖底”がはっきり見えないので、そのまま歩くのはそのまま怖いくらい。
わずかに草が生えていないところをよく見ると、たくさんの貝殻が落ちていた。
かつてここが湖だった証拠とも言えるだろう。
湖があったころ、ここからの景色は、どんな感じだったのだろう。周囲は藪のようなもので覆われていて歩きづらいのでいったん退却して、地図上は続いているはずの道路の反対側から近づいてみることにした。
車ならぐるっと回るのも、それほど時間はかからないが、車が走れる状態の道路かどどうかは、実際に行ってみないとわからない。実際、途中で車での進入ができないように道路が封鎖されていた。
徒歩で入るぶんには問題ないようなので、ここで車を降りて、進んでみる。
正面に柵があって、道路が二手に分かれているところに来た。
おそらくかつては、目の前に湖が広がっていたのだろう。
右手のほうの道路は、藪に覆われ先に進めない状態だったが、少し湖面に近づいてみると、先ほどの建物が遠くに見えた。
左手の方は、なんとか進めそうな感じではあったが、通行止めになっていた。
草木に覆われて、よく見えないのだけど、奥の建物の土台が流れて、宙に浮いているように見える。
細心の注意を払って奥に進んでみると、どうやらこの道路もこの先で途切れているようだ。
道路下の排水のために設置されたと思われる、塩ビパイプが露出している。
どうやら、照月湖の水が、ここから失われた堤防決壊現場のようだ。
相変わらず薮に阻まれて、よく見えないが、ものすごく深くえぐられていて、とても簡単に復旧できそうにないことだけはわかる。
あとから、Googleストリートビューで検索してみたら、堤防決壊前の様子が残っていた。
これを見るとやはり、かつて目の前に湖が広がっていて、先ほどの宙に浮いた状態になっていた建物の目の前で、堤防が決壊したことがわかる。
もともとは、少し散策できる場所を探すために見つけた場所だったが、実際にはこんな状況だったので、代わりに、もうちょっと先にあった浅間大滝というところに行くことにした。
しっかりとした道案内や駐車場もある観光スポットだが、滝を見るまでのルートは、けっこう”ワイルド”な感じだった。
本来はさらに、魚止めの滝というところも見られるはずなのだが、そこまでの歩道は立ち入り禁止になっていた。