7550 「涼 ―夏を楽しむ― 現代日本画展」

博物館・展覧会,芸術・デザイン

郷さくら美術館
郷さくら美術館

好きだった夏が、嫌いな季節になっていったのは、いつくらいからだろう。少なくとも小学生のころは、もっとも好きな季節だったのは間違いない。

7月のうちに、できるかぎりの宿題を終えるようにしていたこともあって、8月は思う存分遊んでいたように記憶している。

それが年齢を重ねるごとに、夏の楽しみより、しんどさが上回るようになってきたような気がする。

郷さくら美術館で開催中の「涼 ―夏を楽しむ― 現代日本画展」では、夏の涼しさや楽しさを感じさせる作品を紹介している。

野地美樹子《Uneri》(左隻)
野地美樹子《Uneri》(左隻)

野地美樹子《Uneri》(左隻)は、鳴門の海を描いたという。この作品の解説には「それは流転しながら大きなうねりとして現れ、関わる様々な人々へと連鎖して行く。一人の素朴な人生の中でも紆余曲折があるように。」とあって考えさせられた。

林潤一《緑林》
林潤一《緑林》

林潤一《緑林》は、白神山地のブナ林を描いた作品だそう。こういったところだったら、夏でも過ごしやすそう。

岩手の母方の実家を思い出す。そうだ、夏休みに遊びに行っていたころは、夏が好きだったのだ。

西岡悠妃《阿波のおと》
西岡悠妃《阿波のおと》

西岡悠妃《阿波のおと》は、左隻に女踊り、右隻に男踊りが描かれた大胆な構成。阿波踊りのお囃子や喧騒が聞こえてくるような気がした。

そういえば、夏が好きだったころは、近所でやっていた盆踊りを必ず見に行っていたかもしれない。

齋藤満栄《金魚》
齋藤満栄《金魚》

齋藤満栄《金魚》は、たくさんの金魚が細かく描かれ、一匹一匹が生き生きしていている。いまにも動き出しそうだ。そして、見ているだけでもとても涼しげ。

縁日などで買ってきた金魚が水槽で泳いでいたころは、夏が好きだったのかな…。

Posted by ろん