7540 今でも残る戦争の跡
太平洋戦争中の1945年(昭和20年)5月26日、アメリカ軍の爆撃機B-29が、足立区入谷付近に墜落。
その墜落したB-29のタイヤが、いまでも間近で見られるということが、2、3年ほど前に話題になっていて、以前から見てみたいと思っていた。
場所が舎人(とねり)あたりということは知っていたが、具体的な場所がよくわかっていなかった。
久しぶりに思い出して、あらためて確認してみたら、赤羽駅東口から路線バスに乗ると、そのタイヤのすぐ近くにバス停があって、乗り換えなしで行くことができることがわかった。
今日はお盆期間ということで、バスのダイヤは土曜日と同じで本数がかなり少なかった。
赤羽駅からの乗客は10人程度で、バスは6時50分の定刻通り発車。
まるで、今回の目的地まで赤羽駅から最短ルートをたどってくれるようなコースを進んでいくうちに、徐々に乗客は降りて行って、最後は、自分ひとりになってしまった。
ふだんの平日だと、もっと乗客は多いのだろう。
道路もかなり空いていたが、本来の到着時刻より4分ほど遅れて7時20分に、入谷五丁目停留所に到着。
地図で確認した通り、バス停からほんのちょっと歩いただけで、タイヤが遠くに見えた。
タイヤは、思ったより小さい感じがしたが、存在感はあった。
もちろん、あらかじめ知らなければ、まさかこのタイヤがB-29のものであるなんて、絶対にわからない。
まず、見た感じで…素材がゴムながら、しっかりその形を保って、80年近くここにあり続けたというのはすごい。
さすがに、劣化は進んでいるようだけど、表面の刻印やじ文字などは読み取れる。
このタイヤにまつわる情報を検索してみると、このタイヤがここまで乗せてきた搭乗員たちは、この墜落で全員死亡したそうだ。
彼らは、遠い異国の地で命を落としたわけで、昔も今も戦争の悲惨さを感じる。
戦争に関するニュースを聞かない日はない。
戦争が日常になっている国や地域もたくさんあるだろう。
ふだん戦争を意識しないで過ごせることは、とても幸せなことかもしれない。
事情もわからず、無責任に“戦争反対”とは言えないが、どうしたら戦争を回避できるのかということについては、つねに考えるべきだとあらためて思う。
帰りは日暮里舎人ライナーの舎人駅まで徒歩で向かう。
公園や住宅地を10分ほど歩くと駅が見えてくる。
新交通ゆりかもめと同じタイプの車両だから乗車から乗り心地までは、ゆりかもめとほとんどかわらないが、見える風景が違って、とても開放的に見える。
しばらく進むと、左右にマンションが立ち並び、その間を進んでいく感じが、なんだか都市開発シミュレーションゲームの世界みたいだ。
いまや、日本で最も混雑する路線となったということで、舎人駅ではかろうじてあった空席が、駅に停まるごとに乗客が増えて、隙間がないくらいになった。
乗車時間がそれほど長くないから、何とか我慢できるといった感じか。
今日はお盆の期間だから、これでもかなり空いているほうだろう。