7526 予定調和過ぎないか
7月からのクールで放送しているテレビドラマのうち、今回は主に「マウンテンドクター」「新宿野戦病院」「ブラックペアン シーズン2」「笑うマトリョーシカ」を視聴している。
ドラマは往々にして、”予定調和”的なことが起きるもので、それに対して、いちいち文句を言うのも、野暮というものかもしれない。
ただ、それにしても…と思ったのが「ブラックペアン シーズン2」だ。
主人公の医師天城(二宮和也)が別の術式があるはずなのに、それを選択しないで高額な手術費を請求するのは詐欺に当たると、医療訴訟で有名な弁護士戸島(花總まり)が大学に乗り込む。
実はこの弁護士は、この病院の看護師の母親というところで「やっぱりね」
と思い、そして、この段階で「いつ弁護士が倒れるのだろう」と思ってしまう。
そして、予想通り、主人公の医師が得意とする手術でないと治療が難しい病気が発覚する。
このあまりの偶然のめぐりあわせが実現するなんて、天文学的確率と言わざるを得ない。
さらに…。
最近の生成AIの流れに乗ったか、どんな医師でもできる手術を提案するAIが登場。
これもオチが見えてしまう。
鳴り物入りで最初は完璧なほどうまくいくが、故障したり、想定外のことが起きてしまって、結局はやっぱり天才医師が解決するよね…という流れだ。
録画して遅れて視聴しているので、現時点では話が進んでいると思うが、その流れで決まるだろう。
ということで、ブラックペアンシーズン2は、予定調和がてんこ盛り過ぎてモヤモヤしつつも視聴している感じだ。
細かな話だが、モヤモヤすると言えば、出てくる登場人物のすべてが、手術のことを「オペ」というのが気になる。
医療関係者同士ならまだしも、医師が患者やその家族に対しても、ふつう「オペ」なんて言うかな?
そう考えると「新宿野戦病院」のように、かなりぶっ飛んでいる筋書きのほうがモヤモヤ感がまったくない。
そして、ドラマのなかに、さまざまな社会問題がちりばめられているところに、むしろリアリティすら感じてしまう。
脚本を書いた宮藤官九郎のすごさを実感せずにはいられない。