7524 「徳川美術館展 尾張徳川家の至宝」
「徳川美術館展 尾張徳川家の至宝」の鑑賞のため、サントリー美術館へ。
最初に出迎えてくれるのは、《銀溜白糸威具足》という白い鎧兜だ。
徳川家康の九男で、尾張国名古屋藩の初代藩主である徳川義直は、たくさんの具足を所持していたそうだが、この鎧兜を好んだという。
参勤交代のときに必ず携帯するというくらいだから、よっぽど気にっていたのだろう。
真っ白な具足なんて、もはや戦うためという用途はないのだろう。
そのあとに紹介されていた《火縄銃 三匁五分筒》なんて、筒の部分に葵の紋があしらわれていて、ちょっとしたブランドものに仕上がってる。
白い鎧兜といい、この火縄銃といい、武器として使って戦うという用途は消え失せている。
《唐物茶壺 銘 金花 大名物》は、安土城天守の落成祝いとして信長に贈られ、信長に喜ばれたという。
いま目の前にあるこの壺を、あの織田信長も見ていたと思うと、なんだか不思議な感じもする。
続いて、茶道具の紹介だったが、どうもその良さを感じるのは、なかなか難しかった。
ひとつ下のフロアに移って、打掛や楽器などの紹介。
いろいろと展示があったが、《白綸子地鼓に藤 ・ 杜若文打掛》は、金糸の輪が見事でとても豪華だった。
また、ここでも昨日見たばかりの《香木 手鑑香 銘 蘭奢待 十種名香の内》の展示があってびっくり。
そして、最後、特別公開となる2つの国宝《源氏物語絵巻》と《初音の調度》が展示されていた。
《源氏物語絵巻》は、12世紀前半に制作された、現存する最古の物語絵巻とのこと。
勝手に想像していた大きさより、かなり小さく、時間の経過によってだいぶ不鮮明になっているところも多く、解説がないとなかなかわかりづらい。
1000年近くも前に作られた絵が、こうして残っているというのは、あらためて考えるとすごいこと。
《初音の調度》は、三代将軍・家光の長女千代姫が、尾張徳川家二代・光友に嫁いだ際に持参した婚礼調度で、どれも、当時の日本の超絶技巧が尽くされている。