7485 「第4回 FROM —それぞれの日本画—」展
郷さくら美術館で開催中の、日本画壇を担う作家たちによるグループ展「第4回 FROM —それぞれの日本画—」を鑑賞。
ここはいつも全作品の撮影が可能となっている。
主要な作品には作者のコメントが書かれていて、それぞれの作品が誕生するまでの過程や、どういった思いで制作に取り組んだのかについて知ることができるのは、とてもいい。
もっとも、今回は、あまり心惹かれる作品には出会えなかった。
これは、あくまでも個人の感想というか、好みも問題に過ぎない。
なんとなく気に入ったのは…
主要な作品でなかったせいか、特に解説はなかったのだけど…。
木下 めいこ《春爛漫~白~ 》
木目がはっきりしている板に描かれてるため、背景にはしっかりと木目があるのだけど、それがなぜか自然に溶け込んでいるように見えて、なかなかおもしろいと感じた。
野地 美樹子《Sijima》
全幅7mにも達する大きな作品。
真っ暗ではなく、木々が浮かび上がるような色づかいもいい。
タイトル通り“しじま”が感じられ、たしかに、静まり返り、冷たい世界ではあるけど、不思議とどこか“生”を感じるところがあって、惹き込まれるような感覚を覚える。
押元一敏《創世》は、ゴツゴツとした岩に圧倒され力強さを感じた。
作品の紹介で作者の言葉に「作品と対面 していると、私が描いているのは今日の地球なのか という幻想に陥ってしまう」そして…「ただそこに石が存在する風景」それだけで時を組越し、その世界に人間がどう向き合うのかを考えるきっかけになれば…」とあった。これらの岩は、人間の寿命をはるかに超越した存在なのだと思うと、なんだか不思議な気分になってくる。
日本画の大家とも言える中島千波は、桜をモチーフにした数多くの作品を生み出しているが、今回紹介されていた《石部の櫻》も見事だった。
興味深いと思ったのは、同じフロアにあった他の桜の作品と違って、花びらの一枚一枚がほぼ同じ方向を向いていて、けっして“リアル”とは言えないことだった。
それなのに、作品から訴えかけてくる何かが違うと感じさせるのだから、やはり“大家”なんだと思った。