7481 ピクトグラム?

芸術・デザイン

キャッシュレス推進協議会が募集していたピクトグラムの最優秀作品が、あまりいい意味でなく話題になっているそうだ。

募集していたのは、「完全キャッシュレス店舗」「キャッシュレス利用可能店舗」の2つのピクトグラムで、図案の関する留意点として「図案に文字や文字と誤認する恐れのある図柄を含まないこと」とあるが、選ばれた作品は…

文字ですね…
文字ですね…

「CASH LESS ONLY」
「CASH LESS OK」

文字そのものだった。

そもそも、ピクトグラム(pictogram)とは、情報や指示、案内などを単純化された絵や図形で表したもので、和訳は「絵文字」あるいは「絵ことば」となるそうだ。

言葉に頼らず一目で分かるような図形をピクトグラムのはずで、デザインに関わる人だったら常識とも言えるはずで、それを完全に無視してるところが、話題の理由だ。

いったい何が起こってこのような結果になったのだろうか。

主催した協議会の事務局は、募集要項はあくまで「『留意点』であり『条件』ではない」が、応募作品のほとんどが留意点のいずれかに抵触したというのだ。

そして、ピクトグラムとして適切なのかという点については、「例えば、案内がInformation の『i』を象ったピクトグラムであるように、文字のデザインを利用してはならないものではない」との見解のようだ。

たしかに、『i』は文字だ。

でも、この見解はちょっとおかしい。

ピクトグラムとしては、あくまで『i』であって、Informationではないのだ。

募集要項の留意点として挙げてしまったものの、実際に集まった作品は、どれもピクトグラムとしての完成度が低く、やむをえず、文字になってしまった…というところだろうか。

採用者なしもやむを得ないと思うが、集めてしまった以上、最優秀を選ばないわけにはいかないという苦渋の選択だったとすれば、それはそれで気の毒ではある。

Posted by ろん