7469 展覧会「没後120年 エミール・ガレ展」
渋谷区立松涛美術館で開催中の「没後120年 エミール・ガレ展 奇想のガラス作家」を鑑賞。
会期が明日までということか、それともやはりガレの人気が高いからか、入口には行列ができていた。
理由としてその二つはあると思うが、それに加えて、入館券購入窓口が1か所しかないこと、支払いは現金のみでることなどがあるかもしれない。
こんな感じの構成となっていた。
第1章 奇想のデザインを世に問う気鋭の工芸作家出現
第2章 深化を遂げる思索の造形
第3章 花開くアール・ヌーヴォー様式
膨大な作品を残したガレは、やはりただならぬ人物だ。
母語のフランス語のほかに、ラテン語、ギリシア語、ドイツ語を習い、歴史や数学、植物学、哲学を学び、大学入学資格を取得すると、修行のためドイツへ。
そこでは鉱物学や化学を勉強しつつ、さらにデッサンやピアノのレッスンも受けたそうだ。
1年の修行後フランスに戻り、陶器やガラス器などを製造販売をしていた父の会社の経営を引き継いだという。
こうした背景を知れば、発想や応用が常人をはるかにこえているのも当然と思う。
新しい情報を貪欲に吸収し、これまでにない技術や手法などを編み出しながら、最高級品から大量生産による廉価品まで、膨大な作品を世に生み出していく。日本からの影響を強く受けている作品も多くあって、こうしたこともガレ人気の一員なのだろう。
小さな花器や照明器具なのに、どれも立体的で、まるでどこまでも続くような奥行きも感じられる。
ガレの作品は、比較的よく鑑賞することもあって、多少見慣れてる部分もある。
それでも、毎回軽い感動すら覚えてしまう。
入口に飾られた《猫型置物》以外はすべて写真撮影不可だった。