7464 駅の公共性
京急蒲田駅を「京急蒲タコハイ駅」と“改称”して、関連したさまざまな企画に対して、アルコールや薬物依存の予防に取り組むNPO法人が抗議したことが伝えられている。
そもそもこの企画は、京急(京浜急行電鉄)と、缶チューハイ商品「こだわり酒場のタコハイ」を販売するサントリー、そして地元の大田区商店街連合会と協力しての開催だった。
駅の利用者には、20歳未満、ドクターストップで禁酒・断酒中の人や飲めない体質の人もいるにもかかわらず、駅の呼称を期間限定で「京急蒲タコハイ駅」とし駅空間をその仕様に変更するなど、公共性を完全に無視した愚行であるとした。
その抗議に対して、京急電鉄とサントリーは、駅看板特別装飾の期間を短縮し、駅構内に掲出する予定だった広告を縮小したとのことだった。
まぁNPO法人の言わんとしていることはわからなくはないが、そうした声を聞きすぎるのもどうかとも思った。
これで思ったのは、池袋駅の山手線ホームの発車メロディが、ビックカメラのテーマソングになっていることだ。
なぜ池袋駅に行くたびにビックカメラを思い出さなければならないのか…と辟易してしまう。
今回のNPO法人のように抗議するとしたら、こんな感じだろうか?
駅の利用者には、“買い物依存症”や、経済的に“買い物ができない”人がいるにもかかわらず、駅の発車メロディを「ビックカメラ」にするなど、公共性を完全に無視した愚行である。
公共性ってなんだろう。
立場によって公共性の解釈が違うのだとすると、それこそなんでもありになりうるし、逆にあらゆることがダメになってしまう。
まぁそう考えると抗議を受けて企画を縮小するのも、それはそれで公共性に対するひとつの答えなのだろうとは思うけど。