7435 ”ハラカド”と”祝営巣”
原宿の神宮前交差点に「東急プラザ原宿『ハラカド』」がオープンしたという話題をテレビで見かけた。
ただでさえ連休で混雑しているなかで、わざわざ行くこともなかろうと思っていたが、妙に気になったのは、向かい側のビルに書かれた「祝 営巣」の文字だった。
ビルの屋上で、シジュウカラが巣を作ったことを祝っているようだ。
これはどちらも見に行かなきゃ…ということで、太田記念美術館に行ったついでに寄ってみることにした。
もともと神宮前交差点に東急プラザがあったよなぁ…と思ったら、その対角線上に、あらたに「ハラカド」ができて、もともとあった「東急プラザ表参道原宿」は「東急プラザ表参道『オモカド』」に改名したそうだ。
まずは4月17日にオープンした「ハラカド」へ。
入口こそ混雑していたし、ところどころでかなりの行列はできていたものの、全体的にはそれほどひどい感じはしなかった。
カフェやたくさんあるベンチなどは、少し空席があった。
店も目一杯詰め込まれた感じもしないし、意識的に植物とアート作品を多く配置している。
屋上に上がれるようになっていて、ベンチや緑が多く、とても過ごしやすそうな空間ができていた。
階段になっているところの向かい側には、以前からある東急プラザ表参道原宿があって、そこの巨大サイネージが見られるような感じになっていた。
続いて、向かい側の「オモカド」に向かう。
正面に掲げる”営巣”が気になる。
この施設を運営する東急不動産が、この地域の生物多様性保全を進めるために積極的な緑化を進めるなかで、シジュウカラに住まいを提供しようというプロジェクトをかなり前からやっているようだ。
しかし、相手は自然なので、そう簡単にはいかなかったが、今年は営巣までこぎつけたようだ。
エレベーターで上のフロアに上がっていく途中に、営巣までのメッセージが書かれていて、これがなかなかおもしろかった。
おそらく、時系列で、担当者に気持ちや思いが吐露されているようだ。
そして、屋上でついに”営巣”に至る。
見落としそうになったが、屋上フロアのエレベーターのところにも、巣箱の穴のサイズの苦労などが記されている。
どこに巣を作ったのかはっきりしなかったので、案内をしていた人に聞いて確認。
巣箱の周りは人が立ち入れないようにしていた。
シジュウカラの営巣を記念して、人間サイズまで拡大した巣箱を用意してそこに、人が入れるようになっていた。
巣箱のなかには、シジュウカラの卵もあったが、これはこの巣箱のサイズに比例した大きさなのかな?…だとすると、とても小さい。
巣箱から見る外の景色は、なんだか不思議な光景だった。
人と自然との共生は決して簡単ではないが、必要なことだと思う。
こうしたことに対して、どれだけのリソースを振り向けられるかというのは、その企業の考え方がよくあらわれるところだと思うので、やはり気になる。