7423 「北欧の神秘」展
「北欧の神秘 —ノルウェー・スウェーデン・フィンランドの絵画」の鑑賞のため、新宿のSOMPO美術館へ。
もうずいぶん前になるが、北欧に行ったときに、現地の美術館で鑑賞しているが、どういった作品があったのか…というと、正直、ちゃんと思い出せない。
今回、北欧絵画の企画展としては、過去最大級ということで、体系立てて鑑賞することができた。
作品は、4つの章に分かれて紹介されている。
序章 神秘の源泉
1章 自然の力
2章 魔力の宿る森
3章 都市
展示は5階から始まって3階まであるが、そのうち2階だけが写真撮影が可能となっていた。
1章の後半と2章がその対象だった。解説によれば、19世紀まではヨーロッパでの芸術に影響されるだけだった北欧の芸術家たちが、北欧ならではのモチーフによる作品が登場したそう。
19世紀に入り、工業化が進んでいく反動もあって、人々の自然と調和した暮らしへの渇望(自然回帰)、自国らしさを見出そうとした芸術家たちの意欲が調和した結果、自然が最も重要なインスピレーションの源となったそうだ。
特に、北欧に広がる森は、イマジネーションをかき立てる場所で、さまざな作品の舞台となった。
北欧は、厳しい自然が身近にある。「自分たちは自然に生かされている」という感覚だろうか。
どの作品もとても雄大で、人々がとてもちっぽけに見える。
北欧の芸術家たちは、北欧の厳しい自然に、自らの文化遺産である、北欧神話や民間伝承がインスピレーションが加わるようになっていく。
伝承に登場する妖精であるトロルが登場すると、どこか“ゆるキャラ”っぽいイメージになる。
そして、時代が進み、さらに都市開発が著しく進んだことで都市の人々や風景は格好のモチーフとなった一方で、先述のような“北欧の神秘性”は徐々に影を潜めていったという。
それでも、まぁ先入観はあるとは思うが、どの作品も、どこか北欧らしさを感じられるからおもしろい。
今回の企画展は、北欧絵画を体系立てて鑑賞できておもしろかった。