7330 ”成功”ではなく成功
先日の、Slimの月面着陸は、太陽電池が動作しなかったということで、正直、自信を持って着陸“成功”と言いにくい感じがしていた。
しかしその後の確認によって、さまざまなことが判明した。
着陸時エンジンが脱落するという事態に見舞われながら、着陸目標地点との誤差を100メートル以内とする世界初の「ピンポイント着陸」に成功ていたのだ。
そして太陽電池が発電しなかったのは、エンジンの脱落によって想定外の状態となって、ひっくり返った状態で着陸したため、太陽電池も想定外の方向を向いたためだったようだ。
そんな大きなトラブルに見舞われながらも、着陸直後はバッテリー駆動によって、そして太陽電池の発電が再開されたあとは、その電源を用いて、想定されたミッションを着実にこなしているようだ。
やはり月面から送られてきた写真を見ると、着陸の実感が湧いてくる。
こうしたプロジェクトはトラブルがつきもので、そうしたトラブルをどのように乗り越えて、目的を達成するかがカギであることを考えれば、これまでの状況は、けっして注釈付きの”成功”なんかではなく、正真正銘の成功と言っていいだろう。