7041 花を愛でつつ原発事故の被災地へ…2
双葉町産業交流センターの屋上に上がって、付近の様子を見ている。
去年とほとんど変わっていなかった。
遠くに福島第一原子力発電所の排気塔が見える。
明日はそこへ向かう。
以前は歩いたこともあるし、距離は大したことはないのだけど、もう請戸小学校まで往復したし、くたびれているので、やはりバスで双葉駅まで戻る。
電車が来るまでのわずかな時間、去年描いていた壁画アートを見てみる。
この絵を見ていると何となく元気が出てくるような気がする。
でも、こうした絵が広大な空き地が残り続けて、ごく一般的な生活する場ではないからこそ見られるのかもな…と思うと、ちょっと複雑な気分にもなる。
常磐線が全線で運転再開したときに、双葉駅の様子を見るために利用した跨線橋が撤去されていた。
おそらく利用者もいないし、老朽化もあったのだろう。
夜ノ森駅に着いて、次の目的地に向かおうとしたら、電車がなかなか発車しない。
前方に人が集まっている。
線路上に障害物があるという車内放送があった。
ちょうど二本のレールをふさぐように枯草みたいなものが挟まっていた。
運転士が取り除いてようやく電車は発車していった。
何度もこのあたりを往復しているが、夜ノ森駅に下車したのは初めて。長らく立ち入り禁止が続いていたこともあって、駅前から廃屋と化してしまった建物が多数残されている。
ちょっと前の富岡や双葉の雰囲気に似ている。
こちらもそう遠くない将来に撤去されるだろうが、こういうのを見ると、時間が止まっている感がする。
わずかに期待していた、夜ノ森の桜も”見事に”葉桜と化していた…残念…。
ただ、お祭りは予定通りに開催していて、ちょうど最後の催しをやっていた。
祭り自体はほぼ終わりだったが、メイン会場の撤収開始時間も早まったようだった。
どうしても夜ノ森の桜を見たいと思って、明日のツアーの日程も逆算して決めたということもあって、ちょっと残念な結果ではあったが、とても楽しい時間を過ごせた。
ここからの唯一の公共交通機関は、町営のコミュニティバスだけだ。
バスと言っても大型のワゴン車で、他に乗客はいなかった。
今夜宿泊する「ほっと大熊」は、このバスのほぼ終点にある、大熊町役場隣にあって、所要時間は15分ほど。