6898 企画展「瞳に映るファンファーレ」
「ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション」へやって来たのは今年の夏以来。
企画展「瞳に映るファンファーレ 浜口陽三の銅版画と川瀬巴水をはじめとした新版画」を鑑賞。
前回も感じたことだけど、数々のメゾチントによる作品は、パッと見た目、どれも“真っ黒”だ。
でも、その真っ黒ななかにある、ほのかな濃淡と色味をじっくり見ていると、なんとも言えない暖かさを感じてくる。
そして、このカラーメゾチントが、気の遠くなるような手間が掛かる…ちうことを意識すると、今度は、作者の作品に対する並々ならぬ思いに圧倒されてしまう。
描かれている内容がけっこう“単純”なのに、そこから感じ取れることがいろいろあるのもおもしろいところ。
「22のさくらんぼ」という作品で、描かれているさくらんぼの数は、当然22個あると思ったら、21個しかなかった。
もしかすると後ろに隠れているのか?とか、薄っすら描かれているのか…といったことを考えてみるが、よく見ても、何度数えても同じく21個しかないのだ。
こうしたことも含めて、彼の作品の奥深さを感じずにはいらない。
今回の企画展では「新版画」と呼ばれる作品の展示もあった。
新版画とは、浮世絵の伝統を受け継ぎつつ、明治大正昭和初期に掛けての新しい美意識や手法を盛り込んでつくられたものを指すらしい。
あとで調べてわかったことだが、日本はもちろん海外を意識して作られていることから、これまでの浮世絵と比べると、“アート性”が高まっているのだという。
たしかに今回鑑賞した作品では、モチーフとなった風景が明確でわかりやすく、今風に言えば、“映える”作品が多かった。
鑑賞が終わったら、ヤマサの黒蜜風醤油を混ぜ込んだバニラアイスと、季節のアイスいただく。
季節のアイスの内容を確認しそびれたが、おそらくさつまいも…だろう。
どちらも美味しくいただいた。