6892 企画展「ちぃさい、ちっこい、ちっちゃ!」

南青山にある「紅ミュージアム」で開催中の企画展「ちぃさい、ちっこい、ちっちゃ!」を鑑賞してきた。
実家にいたころ、雛祭りに向けて雛人形を飾る手伝いをしたとき、ちょっと気になるのが、雛壇に載っている箪笥や鏡台などの雛道具だった。
小さいのに、ちゃんと引き出しも動くし、鏡台の鏡も写ったので、それなりに良くできていたという印象があった。
こうしたミニチュアの小物は、見ているだけでも、なんだかワクワクしてくるから不思議だ。

解説によればミニチュアには「縮尺に統一性より造形のバランスに注力したもの」と「一定の縮尺で再現したもの」とに分けられるという。



前者は、ままごと道具や人形、節句飾りの雛道具であり、後者は建築模型や雛型、ドールハウスといったものだという。
なるほど、言われてみれいば、同じミニチュアでもそういう切り口があるなぁ…とあらためて納得。
ままごと遊びで使われたミニチュアは、江戸時代から盛んに作られたようで、本展でも多数展示されていた。
小さくても良くできているなぁ…と思ったが、これはきっと、このままごと道具を手にする子どもたちも、そう思ったに違いない…そんな気がする。
リアルであればあるほど、子どもたちだって夢中で遊ぶものだし、遊びを通じて、しっかり学べたのではないか…と思う。

ままごと道具は、井戸から水を汲み上げることを前提したものから、蛇口から水を得るのがふつうに変化したり、素材も焼き物や木から、アルミやブリキ、そしてプラスチックへと変化したり…と、時代に合わせて変化していくのも興味深い。
また、こうしたミニチュアを、どんどん突き詰めていくと、鑑賞が目的となり、完全に趣味の世界になるというのは、昔も今もまったく変わらないようで、そういうところもおもしろい。