6886 【特別展】没後80年記念 竹内栖鳳

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山種美術館へ
山種美術館へ

山種美術館で開催中の「【特別展】没後80年記念 竹内栖鳳」を鑑賞。

竹内栖鳳(たけうちせいほう)は、「東の大観・西の栖鳳」と称される京都の代表する日本画家だったそうだが、当然ながら?初めて知った。

しかし、以前、この山種美術館で鑑賞したことのある上村松園は、竹内栖鳳に師事して研鑽を積んだということで、自分の知識がつながった感じがする。

解説によれば、江戸時代から続く日本画のさまざまな技法を習得し、さらに彼が36歳のときにヨーロッパへ美術行脚を行って西洋画の技法までも習得し、近代日本画を底上げしたといわれている。

今回の”目玉展示”は、1924(大正13)年に制作された重要文化財の《班猫》で、しかもこの作品だけ、撮影可という。

唯一撮影できる《班猫》
唯一撮影できる《班猫》

沼津で見つけた猫をどうしても描きたいと飼い主と交渉し宿まで連れてきてもらったものの、猫は大暴れして流血騒ぎとなったらしい。

それでもなんとか京都まで連れて帰って描かれたのが、この《班猫》だったそうだ。

とにかく本物をじっくり観察して写生するのが信条だったらしく、蛙を描くにあたっては、10日間観察して雌雄区別がくくくらいになったそうだし、鶴を描こうとしたときは、たくさんの鳥を飼ったものの肝心な鶴を飼うことができなかったというエピソードも紹介されていた。

動物を描けばその体臭まで描けると栖鳳本人が語ったという自信は、いったいどこから来るんだろう…と思っていたが、こうした徹底した観察があってこそなのだろう。

《班猫》をはじめ、他の作品の多くが、写実的でありながら、どこかふわっとした柔らかい雰囲気の残る画風は特徴的だった。