6852 東京都写真美術館

今日は都民の日で無料鑑賞ができるという、東京都写真美術館に行ってきた。
写真専門の美術館だから、写真が作品として展示されているのは当然なのだけど、写真そのものというよりも、写真という手段で何を訴えるかという感じの作品が多かった気がする。
最初に鑑賞したのは「見るは触れる 日本の新進作家 vol.19」という企画展で、5名の新進作家の作品が紹介されている。
どの作品も、作者の表現したいことをどうやって観る人に伝えるか…ということに苦労してるんだな…と思わせる。
ただ、なかなか自分の理解に及ぶには至っていない感じがしてしまって、少しもどかしさも感じる。


そのなかでも、写真を立体的に吊るして、開いた穴から漏れた光が、写真をより立体的に見えた作品は、言葉では表現しづらいけど、何か伝わってくるものがあった。
解説によれば、この無数の穴は、燃やされて作られたらしい。
一番良く伝わったのは、オーディオガイドでひとつひとつ解説された作品群だった。

写真は“写されたそのものである”という概念を見直そうということを訴えているように感じた。
Photoshopの「スポット修復ブラシツール」という機能を使った写真は興味深かった。
本来の用途はシミとかゴミを除去するたえに、周囲の写真の状態からソフトウエアが類推して自動的にその部分を埋めてくれる機能だが、それを写真全体に適用させたのだ。
だから実はあり得ない風景ということになる。

「実は実在しなかった島なのに、ずっとそれが載り続けていた地図」とか、「一方は五目並べでもう一方は数字ゲームになっているけど、なぜかちゃんと対戦できる」なんていう作品は、もはや写真とは違うのだけど、いろいろと示唆するものは感じた。

こちらもとっつきにくさも感じるところもあったが、人がイメージすることを表現する方法や手段について、古い機械から新しい試みまでを紹介している。
古い機械もいくつか紹介されていたが、実際にどのように見えるのかは体感してみたかった。