[社会の窓]隠しきれない過去

以前も来たことがあるが、王子にある東武ストアは、サンスクエアという複合施設のなかのスーパーマーケットだ。
なんてことないごくふつうのお店だが、ちょっとした特徴があることがわかる。
店に入ると、店内がやたらと広く見渡せるのだが、それは入り口と売り場に3段分の階段があるからだ。
不自然なほどのこの“バリア”は、かつて、ここがボーリング場出会ったことを示す名残なのだ。
下のフロアには、いまでもボーリング場がある。

かつては、2フロアで営業しても採算が合うほど、ボーリングが人気だったのだ。
こういった、街の中にある「隠しきれない過去」を見つけるのは、ちょっと楽しい。
でも、再開発が進む東京では、こうした楽しみも、どんどんと失われていく運命にあるのは、寂しいものだ。