6595 落としどころ
最近、鉄道を利用する障害者と鉄道事業者との間で起きたトラブルを見掛けるようになった気がする。
車いすの女性が列車に乗ろうとして介助を頼んだが、下車駅で利用時間帯に対応できる者がいないとして断っていたことに対して、国土交通省が対応が不適切だったとJR九州を指導したという。
たしかに、行きたい時間帯に行けないというのは不自由だが、このためだけに駅員を派遣するということが、はたして現実的だろうか…とは思う。
そんなことを考えていたら、まさにこんなニュースが伝わってきた。
国交省は11月、バリアフリー化費用の一部を乗客に負担してもらう制度を創設すると発表した。1回の乗車あたり運賃に10円以下の料金を上乗せすることを想定し、23年春以降の制度開始を目指している。
ある程度現実的な落としどころは、国が主導して決めていくべきだと思うから、こうした取り組みは、むしろ遅すぎたくらいかもしれない。
先天的、もしくは不慮の事故などで、健常者と同じ行動が難しくなってしまった障害を持つ方とともに生きていく社会を作るには、相応の分担は必要だとも思う。
だからと言って、障害者にとって不便だったり危険だったりすることに対して、徹底的に支援するなんてことになれば、いくらコストを掛けてもキリがないわけで、一定の判断基準は必要かもしれない。