6440 埼玉県立近代美術館「美男におわす」展

埼玉県立近代美術館で、ちょっと変わったユニークな企画展を開催している。
今回鑑賞したのは「美男におわす」という、男性が描かれた絵画が主役の企画展。
浮世絵、日本画、雑誌の表紙や挿絵など、日本の視覚文化のなかの美少年、美青年のイメージをたどっていく。
江戸時代の浮世絵や明治から昭和にかけての作品を除いて、比較的最近制作された作品が多くは写真撮影可能だった。

今回この企画展を見るまで意識してこなかったが、たしかに、これまで女性を描いた美人画はいくらでもあったが、男性を描く”美男画”というのは、これまで見かけなかった気がする。
これだけ男性ばかりが展示作品というのも、かなり珍しい。


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ちょっと感じたのは、もちろん例外もあるけど、全体的にどこか女性っぽい感じになる作品が多い気がした。
いわゆる”美人画”に引っ張られているというか、女性を描くということに強く影響をされているからだろうか。
美人画に求められる要素をそのままに、描かれる対象を男子に置き換えているわけだが、女性だったら何の違和感もないのに、これが男性になると、なんとも言えない”違和感”があるというか、落ち着かない感じがしてしまうのは、単に見慣れてないということだけなのだろうか?
LGBTという言葉が出てきたと思ったら、いつのまにか、それがLGBTQとなっていたり、世の中の価値観はどんどん変わっている。
芸術は、現実世界よりもっと自由でボーダーレスで、先に進んでいる世界なような気がしたが、意外と型にはまっているのか…と思ったが、それも違う気がしてきた。
作る側ではなく、鑑賞する側が追いついていないだけなのかもしれない。
少し時間が経てば、見え方はきっと変わってくるのではないだろうか。
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