6316 当事者でないから言えること

社会・政治・事件

先日、こんなことを担当の大臣が言うなんて…と、呆れたニュースがあった。

「お金は世の中回ってきて自分のところに来るが、1週間分の誰かのウイルスがついていることがある」と説明。

これは、新型コロナウイルスが紙幣などに付着すると1週間生存する可能性がある…という、いまさらの情報が根拠になっているようだ。

“ウイルス生存”の話は、昨年来たびたび出てくるが、ウイルスが生存することと感染力を持ってることと同義ではないはずなのに、いつもこれは無視される。

研究室とか特殊な理想的な状態で生き延びた例のはずだ。

どうして1週間ものあいだ、紙幣の上の新型コロナウイルスが、どこにも触れたり擦れたりせずに、温存できるというのだろう?

そして、この発言に続く言葉を聞いて、あぁ本当に言いたかったのはこっちだったんだと納得した。

「できるだけキャッシュレスでやってもらうのがいい」

大臣は、本気で感染を防止したいとは考えていないのか、考えていても優先順位は高くなく“ついで”レベルなのだろう。

もしそれが違うというのなら、実際に紙幣で感染する例を確認するだろう。

接触による感染を広げないようにしたいのなら、手洗いの徹底をする方が遥かに効果があると伝えるはずだ。

そして、もっとも気をつけなければならないのが、飛沫による感染ということさえ伝わればいいのに、そこには触れず、新型コロナウイルスを、自分の所管するキャッシュレス化を実現するための、便利な“道具”にしようとしているのだ。

さらに、自民党の政調会長も同様に、新型コロナウイルスを自分のやりたいことに“利用”しようとしてることがわかる発言をしていた。

憲法改正案の項目に含めようとしている緊急事態条項に新型コロナウイルス感染症を含めるべきとして言った言葉がこれだ。

「日本は今、国難だ。コロナのピンチを逆にチャンスに変えるべきだ」

本当に新型コロナウイルス感染症の当事者であったら、口が裂けてもこうした発言はできないはずだ。

大臣にしても政調会長にしても、あくまでも高みの見物をする部外者だからこそ言えることで、自分の利益に結びつけようとしていることしか考えていないとしか思えず、悲しくなる。

Posted by ろん