[社会の窓]高輪築堤を見てみる
新橋と横浜を結ぶ日本初の鉄道線路の一部は、海を埋め立てて建設された。
現在の田町駅付近から品川駅付近だ。
少し前まで車両基地だった場所に、高輪ゲートウェイ駅を開業させ、周辺を再開発しようととしたところ、その遺構が出土したのだ。
約2.7kmある「高輪築堤(ちくてい)」のうち約1.3kmだが、JR東日本にとっては、かなり頭の痛い場所だろう。
再開発しようとしたど真ん中に、世界的にも類を見ない遺構が“見つかってしまった”わけで、落としどころは難しい。
当然、専門家は、価値が高い遺構の全面保存を求めてくるが、再開発するためにさまざまな準備や投資をしてきたJR東日本にしてみたら、これまでの水泡に帰してしまうということになりかねないわけで、簡単に承服もできまい。
まぁ、JR東日本にしてみたら“迷惑なもの”が出てきたと思ってるに違いない。
ここまでハッキリしたものが出てきてしまったら、隠し通せないだろうが、過去に、遺跡や歴史的価値の高いもの出土していたとしても、日の目を見ずに闇に葬られるケースも少なくなかっただろう。
どんな感じなんだろう…と、またまた高輪ゲートウェイ駅に降り立った。
橋上駅からよく見ると、わずかに石垣が見えた。
もっと近くに寄って見ようとしたが、今度は仮囲いで見えない。
石垣は埋まった状態から発見されているから、仮囲いの外からは見づらいのだ。
まぁ公開してるわけでないので、見えないのも仕方がないのだけど。
果たしてどうなるんだろう。