6171 足立区立郷土博物館
先日ラジオで紹介されていた、足立区立郷土博物館へ行った。
綾瀬駅からちょっと離れたところににあって、博物館のサイトでは、バスでのアクセスが紹介されていたが、駅近くに自転車シェアリングをやってるところを見つけたので、それを利用。
20分弱で到着。
今回初めての訪問。
まずはまずは常設展を鑑賞。
“東郊地域”についての歴史を紹介したコーナーだった。
東郊とは初めて聞いたことばだったが、言葉の雰囲気から察するとおり、江戸東京の都心部から東側の近郊という意味で、現在の足立区、葛飾区、江戸川区とその周辺…とのこと。
まずは、江戸から昭和の初期にかけての紹介。
こういった郷土博物館は、たいていのばあい、歴史の教科書のように、古墳時代くらいから始まることが多いのだけど、ここでは、江戸時代くらいから始まっているのが興味深い。
このあたりは、比較的海に近いことから、川は塩分が混じった汽水のため農業用水としては使えなかったこと、そして川の上流から水を引いて溜井を作ったり、さらに上流から長距離用水などを作るなどの工夫があったなど、知らないことも多かった。
常設展は2階にも続いていて、こちらは、戦争から戦後にかけての経過をだどる展示だった。
江戸の時代から現在に至るまで、この地域は、都心から近いということでさまざまな影響を受けていることを知る。
写真の展示だったが、この足立区では、当時日本を代表する皮革メーカーや靴メーカーなどの大規模な工場が集積していたことなども初めて知ってこれももまた興味深かった。
復元された都営住宅も興味深い。
都営住宅といっても、団地ではないようで、木造平屋建ての長屋で、これは、1964(昭和39)年初夏のころの再現だそうだ。
自分が生まれるずいぶん前の風景なのに、どこか懐かしさを感じるのは、自分の記憶があるころは、まだこのころの風景が残っていたからなのだろう。
今回訪れた目的の、企画展「博物館のいっぴん」を鑑賞。
通常の企画展だと、当然、時代やテーマを絞られ、それに沿ったものが展示されることになるが、逆に、そうした基準から外れる収蔵品は、いつまで経っても展示される機会がない。
そうした収蔵品がこの企画展のテーマとなっている。
張子の心臓模型やマネキン、古紙でできた人体模型、木製の“洗濯器”、和紙でできた横幅4メートルのこいのぼりなど、全体的に木と紙でできた、珍しい“いっぴん”が展示されていた。
いずれも足立区にゆかりのある品々ではあるが、なぜ収集されたのかとか、由来などがわからなくなってしまったものも少なくないそうだが、ふだんなかなか目にすることのない作品をいろいろ鑑賞できて、おもしろかった。