[社会の窓]作品のない展示室で思いを巡らす

ここ最近の異常な暑さが落ち着いて、とても過ごしやすく、外を歩くのも苦にならないくらいだった。
そんな今日は「作品のない展示室」展鑑賞のため、かなり久しぶりの世田谷美術館へ。



緊急事態宣言を受けて、どこの美術館も閉館したり、展示内容の大幅な変更を余儀なくされたりして大変なようだが、この世田谷美術館も同様だ。
そこで、中止した企画展と次の企画展の空白となったスケジュールを調整するため、通常は企画展会場として使われている1階の展示室を開放することになったそうだ。
砧公園のなかにあるので、窓越しに見る木々は、まるで絵画のようだ。


こうした特別な事態だからこそ、観ることのできる風景だ。
世田谷美術館を設計した内井昭蔵は「生活空間としての美術館」として、日常に溶け込む建築を目指したという。
他にどんな作品があるのかと思って、解説を読んだり、検索してみても、正直、あまり知ってる建物がなかった。
で、さらに調べてみると、元麻布ヒルズフォレストタワーを設計したことがわかった。
これほど特徴ある建物なのに、なぜか彼が設計したということがあまり表立ってこないのはなぜだろう?
世田谷美術館でも、Wikipediaでも触れられていない。
どこか後ろめたさみたいなものすら感じてしまうのは、ちょっと穿った見方だろうか?