6061 苦しい主張
この記事を読んで、違和感を覚えない人はいないと思う。
ちょっと長いが全文を引用する。
自民党の「日本の印章制度・文化を守る議員連盟」(はんこ議連)が、はんこ制度の継続を訴える動きを強めている。
要望書を19日付で岸田文雄政調会長に提出。新型コロナウイルス対策として広がったリモートワークの推進をはんこが阻んでいるとの声が出ていることについて「いわれないバッシング」と反論している。
要望書は「記名と押印」が持つ法的効力は「署名」と同等とし、「紙による文書決裁、認証を得るためわざわざ出勤しなければならない」ことが本質だと指摘した。その上で「国民にとって有益な」はんこ制度の継続を要求。一方、印鑑登録などの行政手続きのオンライン化も求めた。
コロナ禍によって影響を受けた業界は多岐にわたるが、”はんこ業界”もそうだろう。
このIT時代に、はんこを押すためだけで出勤せざるを得ないという状況が続いているという状況に対しては、もともと批判的な声があった。
そして、このコロナ禍において、外出そのものを抑制しないといけないという事態となったいま、“はんこを押す”という、真っ向から逆行する行動は、なんとも目立ってしまう。
あまり世論から同調されにくい苦しい要望であっても、はんこ業界から支援を受けている立場からすれば、言わざるを得ないということだろう。
けれど、そこまでして支援してもらわないといけないというのも、どうなんだろう…と思ってしまう。
しかし、世の中は確実に変わってきている。
実際、会社や自治体ばかりでなく、宅配便の受領印も不要ということもごくふつうになってきた。
そもそも、悪いのは、はんこそのものではなくそれに囚われた制度や仕組みだ。
どうしても業界からの支援を受けたいのなら、業界と話し合って、主張する方針を変えたらいいのに。
コロナ禍は、これまでの生活スタイルをどんどん変えていってしまっている。