5987 何気ない帰り道
会社は、かなりの人たちは、すでに在宅勤務となっていて、オフィスはがらんとしているが、僕は、諸般の理由から今日も出勤だった。
しかし、新型コロナウイルスの蔓延が広がる一方という状況ということで、来週からは、完全に在宅勤務をすることになった。
来週、少なくとも丸々1週間は、会社に行かないとなれば、仕事柄必要なパソコンなどを持ち出さないといけない…ということで、長期休暇前の小学生のように、たくさんの荷物を持って帰る。
帰りがけ、重い荷物を抱えながら、また、ちょっと足を伸ばして街の様子を見ながら歩いてきた。
印象的だったのは、いつもは威勢のいい呼び込みのお兄さんやお姉さんたちが、なんとも手持ち無沙汰な感じで佇んでいたことだった。
もう営業が難しいと実感しているのだろう。
街を歩く人たちもマスクをしている人が多いせいか、全体的に元気がない。
かつてのような金曜日とまるで違う雰囲気だ。
別にどこに寄るわけでもなく、そのまま帰宅するだけなのだが、これも少なくとも1週間はなくなるわけだし、1週間で済まない可能性が高い。
ただ会社から家に向かって帰る…たったそれだけのことが、こんなにも特別なことになるかもしれない…なんて、思いもよらなかった。