5968 常磐線復旧区間を歩く(前編)
3月11日に合わせて、被災地を歩こうと思ってるが、今年も多忙であったのと、ちょうど常磐線の全線開通が、その3日後ということもあって、今日出掛けることにした。
ほぼ始発列車を乗り継ぎ、いわきへ到着。
もう雰囲気からして、マニア感が漂う人たちでいっぱいだ。
いわき駅前は、予想してた通り、とんでもない寒さだった。
まだ雨とか雪は降ってないようだ。
今日も目標は、常磐線の運転再開区間、富岡〜浪江間を乗車し、避難指示解除した街を歩いてみること。
9年ぶりに復旧した常磐線の運行本数は、代行バスの時よりも増えてはいるが、それでもかなり少ない。
それだけに、どういった行程にするかについては悩んだ。
いわき駅前に映画館があって、ちょうど「Fukushima50」をやっていることがわかったので、観ていくことにした。
現場に一番近い映画館だ。
いろいろ考えさせられつつ、常磐線に乗る。
臨時駅だったJビレッジ駅の今日から開業。
富岡を過ぎ、これまで乗ることのできなかった区間へ。
常磐線の運転再開を祝ってる様子もあったが、この区間の周囲は現在も立ち入り禁止のままだから、人の姿は皆無だ。
復興の一歩に過ぎない。
浪江駅に到着。
記念に降りる人も多く、ちょっとした賑わいは、ここに到着するまでの寂しい感じと対照的だ。
ただ、記念すべき今日から無人駅になってしまうのは、何とも皮肉なものだ。
いわき駅を出るときには、ちょっとぱらついていた雨が、けっこう本格的に降っていた。
代行バスを利用したときは、乗り継ぎの列車がすぐに出発してしまったので、今日は、これまで歩くことのできなかった駅前付近を散策。
駅舎内や駅前には人がいたのだけど、ほんのちょっと歩いただけで、まったく人影がなくなってしまった。
建物はあるが、人の気配はまるでない。近づいてみると、やはり廃墟だ。
とにかく、人がいない。
特に心を痛めたのは、幼稚園の跡だった。
こちらも廃墟となってしまい、9年間の間放置されていた状態だった。
国道を通る車は、除染した土を運ぶトラックが行き交う。
聖火リレーによる規制の予告が、虚しさを感じる。
続いて、双葉駅へ。
こちらは、常磐線の運転再開に合わせて、避難指示を解除されたそうだから、そこを歩いてみようと思った。
雨は相変わらず降り続き、寒さと相まって、みぞれっぽい感じになっている。風が冷たいから、よけい寒さがしみる。
せっかく来たのだから…と歩く。
fd
しばらく歩くと街が消え、ひたすらだだっ広いところに出た。