5951 NO PROBLEM@21_21 DESIGN SIGHT
ギャラリー間での鑑賞後は、東京ミッドタウンの21_21 DESIGN SIGHTで開催中の「NO PROBLEM」というイベントへ。
先日鑑賞した「㊙展」は相変わらずの混雑だが、その隣の展示室で開催しているこちらは、比較的空いていた。
日常に使うぶんには何ら問題なくても、販売されない“B品”となってしまう商品は多数存在する。
基準をクリアして販売される“A品”と違って、多くの場合日の目を見ることはない“B品”を、見方を変えれば問題ない…つまり「NO PROBLEM」ととらえて、あえて“定価”で販売するというプロジェクト。
あるインドの実験器具メーカーから輸入販売している業者によれば、日本向けは特に基準が厳しく、1万個のA品を仕入れるために、なんと13万個以上をピックアップしないといけないという。さらに、それを日本国内で検品すると10〜20%が、新たにB品になってしまうという。
実際にそのB品となった商品が並んでいるが、極めてわずかな“汚れ”や、ブランド名の文字の位置といった、本当に“些細な違い”だけでしかない。
それでも、B品としなければならないのだ。
商品の性質にもよるのかもしれないが、こうした“些細な違い”を、商品の個性と見れば、それはそれで愛着が持てるかもしれない。
このプロジェクトの興味深いところは、こうしたB品を、割引ではなく、あくまで“定価”…つまり、A品と同じ値段で販売すると言うところに、強いこだわりを感じる。
考えてみれば、そりゃそうだ。
機能はA品と変わらないのだから。
価値を機能に求めているのであれば、金額に差が出るはずはない…ということになる。
メーカー(作り手)も考え方は同じで、こうしたプロジェクトによって、初めてこうした思いを発信する機会が得られるのかもしれない。