5938 残念過ぎるスペースジェット
開発中の国産リージョナルジェット旅客機「三菱スペースジェット」(旧MRJ)の納入延期が、最初にニュースで伝えられたとき、三菱重工は、こんなコメントこんなコメントを発表していた。
「開発スケジュールに関する報道があったが当社が発表したものではなく、開発スケジュールの延期を決定した事実はない」とのコメントを発表した。
でも、この流れは、お笑いの予定調和である「お約束」のようなもので、たいていの場合は事実だ。
それにしても…いくらなんでも…延期が6度目というのは、あまりに異常だ。
しかも、新たな納入予定時期は21年度“以降”であり、明確にできないというのは、事態の深刻さをよく表している。
新規で旅客機を製造することが、こんなにも難しいとは…と実感するが、何より痛感しているのは、三菱重工自身だろう。
初飛行を喜んだのは、もう4年以上も前のことだった。
あんな感じで飛んでいる姿を見たら、すぐに商業飛行ができると思ってしまったが、そう甘いものではなかった。
そして、延期に延期を重ねているうちに、スペースジェットの市場での優位性はどんどんなくなった。
この段階でも正確なスケジュールが公表できないとなると、そろそろ重大な決断をするべきときが近づいている気がする。
三菱重工には旅客機を自らが主導して製造する能力がなかった…と。
初飛行を中継で観たとき、まさか、この事業からの撤退もやむを得ないと思ってしまうようなことが起きるとは、思ってもみなかった。