へんな西洋絵画/山田 五郎

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へんな西洋絵画
山田 五郎
講談社 (2018/10/12)

明らかに可愛くない子どもとか天使とかが描かれる作品を目にすると、いったいどういう意図で描かれたんだろう?…と不思議に思うことは少なくない。

本書ではそうした、タイトル通り、さまざまな”へんな西洋絵画”を紹介する。

たとえば、冒頭の可愛くない子どもがなぜ描かれるのか?

それは、描かれる子どもは救世主イエスであったり、王侯貴族の子女であることが多かったことから、普通の子どもと同じように描くことはできず、”威厳を持たせるための手法なのだという。

そもそも、可愛いという概念には、親しみやすさだけでなく、未熟さや稚拙さもといったダメな要素も含まれている。

こうしたダメさも含めて、可愛いを、100%ポジティブに評価するのは日本特有の価値観であり、世界的に見たら、可愛くない子どもを「へん」だと思うのは、私たちの方かもしれない…という著者の指摘は、とても興味深い。

描かれるには、明確な意図がある。

それをそのまま受け取るのもいいし、それを読み解いていくという楽しみも、絵画鑑賞にはあるということをあらためて教えてくれる。

この世に存在しない謎の生物が描かれていたり、異常なくらい超精細画や、なぜか遠近法がおかしい絵画など、興味深い”へんな”絵画が多数紹介されている。

そういえば、何度か鑑賞したことのあるアルチンボルドの”寄せ絵”なども“へんな西洋絵画”の見本のひとつかもしれない。

本書は、いくつかの章に分かれているが、各章のあちこちに登場するのが、本書の表紙にも採用されているアンリ・ルソーの作品だった。

まるで、へんな西洋絵画の代表選手のようだが、キャラクターもちょっとも面白そうだ。

彼の作品は、日本でも所蔵する美術館があるようなので、今後少し意識して観てみようと思う。

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