いじめを生む教室/荻上 チキ

いじめの問題は、いつの時代も変わらずにあったし、いじめをなくす努力は、ずっと続けられてきたはずだ。

それでも、まったくと言っていいほど、いじめは無くならないのは、周知の通り…。

いじめを苦にした自殺や、その後の”騒動”は枚挙に暇がない。

そもそも、いじめが減らないのは、なぜだろう?

教育環境の変化で先生たちに求められることが増える一方で、ネットを使った“新しい”いじめも登場するなど、いじめを取り巻く環境は、どんどん変わっている。

対策は打っていても、そうした変化に追い付かないから…だろうか?

本書を読むと、実は、そもそもこれまでのいじめの対策が根本的に間違っていたのではないかと思わせる。

抽象論や精神論をではなく、さまざまなアンケートや統計を駆使し、 極めて論理的に、いじめを分析していくことで、その原因と対策を紹介する。

「どうしたらいじめを増やせるか?」という考え方は、なかなか興味深い。

視点を変えることの大切さに気付かされた。

抑圧的な態度をとる先生の教室ではいじめが多いということも興味深い。

子供たちは、どこまでやったら許されるかを常に見ているのだという。

先生が、ちょっとでもいじめにつながることを許容すれば、子供たちはそれを正当化してしまう。

言われてみれば、もっともなことだ。

また、アンケートの結果で分かった、「いじめは絶対にいけないことだ」という認識は、いじめを目撃しなかった方が、いじめを目撃した人よりも、割合が多いという。

つまり、いじめを目撃すると「いじめはしょうがない」とか「いじめられる方も悪い」という誤った合理化をしてしまうというのだ。

このことだけでも「いじめはやめましょう?」では、決していじめがなくならないことがわかる。

教室全体の雰囲気を”不機嫌な教室”から”ご機嫌な教室”に変えることの重要性がわかる。

いじめに悩む関係者はもちろん、子供たちにかかわるすべての人たちに読んでもらいたい良書だと思う。

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