アップルのデザイン戦略/日経デザイン編

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iPhoneやiPadを使うようになってから、ずいぶん経つが、アップルのデザインは洗練されているなと感じることは多い。
商品のそのものの”佇まい”はもちろん、それが収まっている箱や、店舗までも配慮が行き届いているのを感じる。
もっとも、独りよがりな部分も感じないわけではないけど、徹底しているせいか、仕方ないなと許してしまう。
そういった意味では、アップルの存在は、独特だ。
アップルのデザインはどういった意図をもって考えられているのか?という興味は以前からあったから、図書館でこの本を見つけて、さっそく読んでみた。

iPhoneをはじめとするアップル製品の分解して、アップルが挑戦してきたと思われるデザインを分析していく。

本書は、月刊誌日経デザインの記事を再編集したもので、4年から6年ほど前のiPhone5や5cで、Apple Watchは発売前(当時iWatchと仮称)といったころ。

ちょっと古いのだけど、それでも、アップルのデザインに対するこだわりが随所に見られ、ここまでやるか…と驚かされる。

製品本体ばかりではなく、箱ですら手を抜いておらず、箱の推定価格は、実に600円もするという。

でも、以前、アップルの日本法人の方かた直接聞いた、箱を開ける時間を稼ぐためにあえて開けにくくしている…みたいな話は載っておらず、あくまで「分解」から見えてくる考察といった感じだ。

それに気づくと、マーケティングや、ソフトウェアなど、製品以外のデザインについてはほとんど触れていないし、アップルに対して、直接デザインについての取材をしているわけではなく、巻末で識者にインタビューしてお茶を濁しているように見えてくる。

「アップルのデザイン戦略」というタイトルをつけるのなら、もう少し、突っ込んで欲しかったなぁ…。

Posted by ろん