音鉄/片倉 佳史
かつて鉄道ファンは、趣味の世界では、どちらかといえば、あまり目立たない存在だった。
それが時を経て、それなりに認知されてくるようになると、鉄道に対する興味が、人によって結構違うということも知られるようになった。
乗り鉄、撮り鉄、模型鉄…といったなかで、音鉄というのも、大きなジャンルのひとつだ。
僕の鉄道趣味は、どこかに偏ることなく、”広く浅く”という感じなので、本書の”音鉄”も、とても興味深く読んだ。
近年、鉄道の”音”にまつわる関心は広がり、駅の所在する地方自治体などでも、発車メロディーや到着メロディーなどに注目して、町おこしなどに活用する例は多い。
本書では、そもそも、音鉄って、どんなものを録音してるの?といった話から、さまざまなエピソードを交えて、音鉄の楽しさや”厳しさ?”など、を紹介する。
また、録音におすすめの場所やヒントなど、最近、音鉄に目覚めた人にとっても、興味深いネタが得られるかもしれない。
巻末に載っている「風を制する者は録音を制す」「音鉄趣味はすべてが一期一会」といった、音鉄趣味の格言は、音鉄という趣味の奥深さを教えてくれる。