名機オスプレイの呪い/渓 由葵夫 河野 嘉之
オスプレイについて詳しく知りたいと思ったら、この本ではダメかもしれない。
なぜなら、タイトルに「オスプレイ」とあるのに、なぜか、オスプレイについて、それほど詳しく載っていないからだ。
この本の価値は、オスプレイではなく、最新軍用機であるオスプレイに至るまでの軍用機の歴史を俯瞰することができる点にある。
ライト兄弟の飛行機から始まり、ドイツのV2ロケット、大型爆撃機B29など、軍用機の歴史を紐解く。
そして、オスプレイにつながる、垂直に離発着できる航空機の歴史を紹介する。
垂直に離発着できる航空機は、見るからに、ちょっと怪しげな試作の積み重ねで、豊富な軍事予算をつぎ込めるアメリカだからこそ作ることができたということがわかる。
これらを踏まえて、なぜオスプレイが必要とされたのか? なぜオスプレイが誕生したのか?を知ることで、オスプレイの価値や意味を知ることができる…というのが、この本の意味のような気がする。