5225 嫌な予感
7月に行われた都議会議員選挙は、投票したい候補者がおらず、かなり苦慮の上、ようやく投票した記憶がある。
当時、もっとも投票したくなかったのは、現東京都知事率いる「都民ファーストの会」だった。
目指す方針が、やけに曖昧だったのが気になってたし、当時、もっとも世間の関心が高かった築地市場の豊洲移転問題に対しても、明確な方針を打ち出さなかった。
それなのに、あれよあれよといううちに、都議会第一党となってしまったのだ。
既存の政党ががダメで、新しい政党ならなんでもいいのか?
いや、新しくても、欠かすことができない要素は、抜群の「知名度」だ。
「芸能人が紹介するテレビショッピング」に例えてもいい。
本来、モノを買う際、判断すべきは、その商品そのもののはずなのに「知名度のバイアス」が掛かることは、往々にしてある。
「この人がいいと言ってるなら…」だけで、ろくに検討もされずに判断されてしてしまう…なんだか、そんな感じに似てる気がするのだ。
7月の選挙の結果、現在の都議会は「都民が選択した」とされるが、少なくとも、自分の望まない状態だ。
それが、今度は、国政でも同じことが起きてしまうのではないかと、危惧している。
これらの問題の根本にあるのは、現東京都知事だと思う。
知事当選後、豊洲移転の懸案に対しては延期しただけで、意図的としか思えないほど長引かせ、都議会議員選挙で争点化させた。
そして、結局出てきた答えが、豊洲と築地の両方を活かすという「足して2で割る」オチだった。
移転推進派と残留派の双方の顔を立てるだけで、根本の解決に踏み込まない「逃げ」の姿勢に、心底落胆した。
そして、先日、希望の党発足の記者会見で「アウフヘーベン」という言葉を使い、その意味を記者が尋ねると「辞書で調べて」と回答したというのを聞いて、あぁこの人はダメだ…と確信した。
知事は、この記者に言ったつもりなのかもしれないが、その背後の人たちがまったく見えてない。
彼女の先にあるのは、都民でも国民でもないのだ…と思い知らされた。
それなのに、いまでも、高い人気を保ち、国政のキャスティングボートを握っているということに、ものすごい違和感を覚えている。
「知事としての職を全うする」という選択肢しかないはずだし、本人もそう言っているのだけど、嫌な予感しかしないのだ。