5180 旧熱海糸川赤線を歩く

建築・都市

有給休暇を取り、昨日から今日まで熱海で過ごす。

以前は、旅行先ではたいてい普段と同じか早めに目が覚めて、どこかしら散歩に出かけていたものだが、ここ最近、なかなか体がついてこないことが多くなってしまった。

…が、今日は、久しぶりに、比較的スッキリ起きられたので、出掛けてみた。

向かった先は、市役所も近い街の中心にある、旧熱海糸川赤線だ。

赤線(あかせん)とは、かつて公認で売春が行われていた地域の俗称で、1958年4月以降は非合法となるが、引き続き営業を続けられた地域は、青線(あおせん)と呼ばれた。

熱海には、そんな赤線や青線があった場所として知られていたが、時代とともに記憶の彼方へと消え去りつつある。

ちょっとふるさを感じる街の中心部に出てくると、かなり古めかしい建物が目に留まるが、目的地へ急ぐ。

この建物も気になる… この建物も気になる…


商店街の脇に入り、カラスに荒らされたゴミ集積場をまたいで向かう…。
旧赤線地帯へ向かう… カラスがゴミを荒らしていた

だみーも歩く奥に見えてきた。

独特な建物は、見れば見るほど味わい深い。

こうした地域に残る特徴的な建物は、「カフェー建築」と呼ばれている。

 

特徴的な建物

貴重な向かい合わせ壁にモザイクタイルが貼られていたり、装飾などが施されている格子窓や窓柵、屋根などがある建物のことで、なかなかひとことで言い表しづらい。

実際、これらの建物の用途が、非合法的な存在にもなることを考えれば、画一的な決まりではなく、あえて”見る人が見ればわかる”ということになっているのかもしれない。

実際、かつての赤線地帯を歩いていると、なんとなくわかってくる…気がする。

いまでは、タクシーの営業所になっていたり、”ごく普通の”飲食店になっていたり、床屋になっていたり…と、用途は変わってしまったが、建物の特徴はよく残っている。
現在はタクシーの営業所 いろいろ気になる建物が多い

壁の一部に、その特徴を見つけられると、かなり嬉しい。
こんなところにタイルがあるとテンションが上がる 思わせぶりな…

ある意味”教科書”通りの建物

意識しなければ見逃してしまいそうな感じが、面白い。
思わせぶりな窓柵 意味深な丸窓 ここにも小さな丸窓 なんとなく…

言われてみないとわからないが、歩いているとわかる…そんな感じ。

よくブログなどで取り上げられ、この血を代表する建物があったと思われる場所も見つけたが、今も更地になったままだった。

なんとか残せなかったものだろうか…と思ってしまう。
お店の名前も糸川 取り壊されたまま空き地になっている

このあたりの限られた一帯を1時間程度は歩き回ったが、ちょっとした”宝探し”っぽい楽しさもあって、あっという間だった。