5177 お別れの散歩
ずいぶん前に譲ってもらった折り畳み自転車。
いずれ使うこともあるだろう…とは思っても、なかなか使う機会がなかった。
折り畳んだ状態とは言っても、物置の中ではそれなりの場所を占め続けていたことから、思い切って処分することにした。
多少の傷はあるものの、しっかり走るので、捨てるのはもったいないと思い、リサイクルショップで引き取ってくれるところを探す。
特に有名メーカーの製品でもなく、譲ってもらったものかなり前だし、自転車の価値はあまりないのだろう。 近所のリサイクルショップでは引き取ってもらえなかった。
それでも捨てるのはもったいないと探したところ、一軒のリサイクルショップが引き取ってくれるとの返事をもらえた。
手放す折り畳み自転車に乗ってリサイクルショップへ。
空は一面雲に覆われていたが、むしろ、これくらいの天気だと、自転車での移動は快適だ。
この自転車を譲り受けて、これほど長い距離を移動するのは、初めてであり、最後となる。
もったいないなぁ…という気持ちになりながらも、結局使う機会がないことも、これまでの経緯から間違いのないことなので、ちょっとしんみりしながら、ペダルを漕ぐ。
飛鳥山公園の前を通過しようとしたとき、都電荒川線がやってきた。
よく見たら、ヘッドマークにはさよならの文字。
もうすぐ手放す折り畳み自転車が、来月引退が決まっている都電7000形に引き合わせてくれてのかも…そんなことを思いつつ、無事に、リサイクルショップに到着。
乗ってきた折り畳み自転車に別れを告げた。