4890 雑貨展/21_21 DESIGNSIGHT
辞書によれば、雑貨とは…
ざっ‐か〔‐クワ〕【雑貨】
日常生活に必要なこまごました品物。「―店」
ということで、つまりは、身近なあらゆるものが対象となる。
そんなざっくりした”雑貨”が主役の展覧会が、六本木の21_21 DESIGNSIGHT で開催しているということで見に行ってきた。
まず現れたのが、明治時代に荷車に日用品を積んで販売していた行商の姿を、現代の日用品で再現した…という作品。
コンセプトは面白かったのだけど、それほど現代の日用品が使われてない感じが物足りなかった。
自分だったら、スマホのアクセサリーや充電器なんかも加えておきたい感じがした。
雑貨というものを考えるときに重要なキーワードを紹介されていた「雑貨のルーツ」。
うちではすっかりおなじみとなった、北欧デザインも取り上げられていた。
遅めの時間にやってきたせいか、来場者は少なめで、ゆっくり鑑賞することができた。
取り上げられている雑貨は、こまごまとしたものが多いので、じっくり見始めてしまうと、時間がいくらあっても足りない。
必要以上に複数あり、使われていない生活用品を集め、コンビニエンスストア…という作品も、興味深い。
身近な雑貨をあつめたら、コンビニができてしまう…ってことは、コンビニとか100円ショップが現代を代表する雑貨店なのかなぁ…なんてことを漠然と思った。
蚊取り線香自体、あまり見かけなくなってきたが、そのさまざまなパッケージ、マーブルチョコレート、プラスチックのスプーン、正露丸、爪楊枝の紙袋までもが、「キッチュな生活雑貨パッケージ」として紹介されていた。
いい意味で、グッドデザインとは対になる「愛のバッドデザイン」も、じっくり見るとすごく味わいがある。
タイトルが、「 」 という作品は、身近な既製品や大量製品の表層を奪い去り、「モノ」の本質や価値を問い直す…というもの。
表層を奪い去っても、それが、元は何であったか?ということが、しっかりと残っているのは、これまた興味深い。
雑種採集/野本哲平(民具木平)という作品も面白い。
まるで、夏休みの自由研究のように、既製の雑貨を組み合わせ、必要にかられて制作した”雑種な生活用品”を紹介している。
オランダ人デザイナーたちが、100円ショップで素材探しから初めて、作り上げたのが、このフックを使った”絨毯”だった。
フックをアート作品にしてしまおうという発想は、外国人ならでは?
雑貨を見ていると、何かに使えそう…とか、いざってときに・・・みたいなことを次々と思いだしてしまう。
こうした、ある種の想像力をかき立てる瞬間が、雑貨を見ているときのときのワクワク感につながっているのかもしれない。