4676 南東北縦断(その3~東北本線仙台駅まで)
代行バスで到着したのは、原ノ町駅。 南相馬市の中心の駅だ。
駅に着いてすぐ目にとまったのが、これまでもあちこちに留め置かれた、651系電車。
今回見掛けたのは、これまでの車両と違い、さびがかなり酷かった。
3月11日15時9分に原ノ町駅を出発し、上野駅に向かう予定だったが、震災により運行を取りやめてから、このままの状態が続いていた。
同じように留め置かれている415系電車とともに、近々撤去されるというニュースを思い出した。
乗り継ぐ列車の発車時刻は、12:02なので、かなり時間が空いている。
そこで駅前にある南相馬市立中央図書館に寄ってみた。 とても綺麗で、ゆっくり本を読みたい空間だった。
原発関連書籍コーナーの窓の外には、原発事故の影響で留め置かれている651系電車の姿も見えた。
図書館の中にカフェがあったので、こちらでお昼をいただくことにした。身障者自立支援のNPO法人が運営しているとのこと。1日5食限定のハンバーグプレート(570円)をいただく。
原ノ町駅 12:02 発
常磐線 普通 相馬行き
電車は2両編成で、原ノ町駅と相馬駅をピストン輸送している。
その両端は運休中なので、完全に孤立した区間を走っていることになる、
発車前には乗客が増え、多くの人たちに利用されていることがわかる。
20分足らずで、相馬駅に着く。ここからまた、代行バスの区間となる。
竜田-原ノ町間の代行バスと違って、どことなく車内は穏やかな感じ。
車窓に広がる風景も、震災の被害を感じさせるものがない。
これがもともと、田畑だけだったから何もないのか、それとも、被災したから何もないのか?…は、よくわからないのだけれど…。
東京から300kmを示す看板や、常磐線の復旧工事の風景などが見える。
今年の12月までには、ちょうど今、この代行バスが走っている区間が復旧する見込みとのこと。
定刻よりわずかに早く亘理駅へ到着。
駅舎がお城風…。
駅の後ろには、天守閣のような建物がそびえ立ち、先程まで乗っていた代行バスからもよく見えた。
この建物は、亘理町の図書館やコミュニティーFMの放送局などに使われているようだった。
ちょうど、特別番組を生放送していて、スタジオの外でも音声が流れていた。
東日本大震災で被災し亡くなった 亘理町の住民の氏名をひとりひとり読み上げていた。
あまりの数の多さ、同じ名字が並んでいたり、 年齢が幅広かったり…読み上げられるたびに、胸が締め付けられるような悲しさを覚えた。
ここからはふたたび列車。4両編成。
最初はそれほど乗っていたかったが、駅に着くたびに、次々と乗客が乗り込んでくる。
電車の編成は短いながらも、どっと大量の乗客が電車からはき出されると、 さすが、東北最大の都市らしい…と感じる。