超一流の雑談力/安田 正
僕は、雑談は比較的よくする方で、本題になかなか入れないこともある。
まぁ、それはやりすぎだけど、たしかに雑談の良し悪しによって、人間関係に大きな変化をもたらすということはあると思う。
雑談の重要さは、誰もが認識していることのようで、本書は、Amazonのビジネス交渉・心理学のカテゴリでは、売り上げ1位にランキングされていた。
本書を通じて、あらためて雑談というものの力を再確認することができる。
ただ、全体的には、そもそも雑談が苦手な人にとっては、結構ハードルが高い気はした。
たとえば…
だらだら話をするのではなく、落としどころ…オチのある雑談を心がけよとか…
人をつかむのは「雑談」ではなく相手に実益のある情報を教える「使える知識」だとか…
情報収集のためには、誰もが見ているYahoo!ニュースではなく、手に入れやすく、その割に読んでいる人が少ない「日経産業新聞」を読もうとか…
会話は相手の特徴にあわせて微調整するとか…
数字や根拠、事実などを示しながら、プレゼンするよう雑談するとか…
…などといったことは、まさに言うは易く行うは難しで、雑談がうまい人でも無意識だからこそできてるようなレベルだろう。
全体的に、目からうろこ的な、あまり特別なことは書かれていない気はしたが、ちょっとでも意識することで、より雑談力をつけられると思うような、参考になることは、いろいろとあった。
音や感情の表現を表す擬声語「オノマトペ」を多用することで、話に臨場感を与える…とか…
低い声より高い声を意識して出した方がよいとか…
会話の前、開口一番「よろしくお願いします」と元気よく言うことで、その場の空気を和やかにする…
人は出会って2秒で第一印象を決めてしまうので、家を出た瞬間から口角を上げるようにする…
…というのは、比較的簡単だろう。
雑談におけるリアクションも「さしすせそ」を意識すると、レパートリーが増えて、会話がスムーズに進むというのも参考になった。
「さ」=「さすがですね」
「し」=「知らなかったです」
「す」=「素敵ですね」
「せ」=「センスがいいですね」
「そ」=「それはすごいですね」
まぁやりすぎとか、言い方は難しいけど、単調にならずに、テンポよくあいづちをすることは、確かに大切だ。
雑談は、会話のキャッチポール。
相手に打ち返してもらわなければ、成立しないのだから、どうしたらうまく打ち返してくれるか?ということを意識すると、より充実した雑談ができるようになるはずだ。
でも、雑談はあくまで雑談であって、仕事がしっかりできることとは、まったく別だとは思うけれど…。